黄 仁璧さん
製造
課長代理
台湾
プロフィール
中学卒業後に渡日し、日本の高校・大学に進学。新卒で2000年に入社し、官公庁系システムの開発部門に配属され、自治体の教育委員会向けシステムの開発に携わる。3年後、現在所属するメーリングサービス事業部製造部に配属。現在は、メーリング業務のアルバイト管理を担当している。
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多くの企業の中で最も多いとされるマイノリティである女性にフォーカスを当て、キャリア形成をしたいと願う⼥性社員が、仕事と家庭の両⽴を実現できずキャリアを諦めたり離職することを阻止するため、2014年に女性委員会が発足しました。
女性委員会では、各部門から女性社員が有志で参加し、女性社員が中心となって、女性社員が抱える課題や要望を掘り起こし、男女別意識調査アンケートの実施や女性社員の意識向上を促す為のキャリアアップセミナーなどを実施してきました。
しかし結婚出産などのライフイベントは女性だけのものではなく、介護・病気・けがといった問題は誰にでも起こりえることであり、また他にも仕事との両立を弊害する様々な問題が顕在しています。多様化する社員一人ひとりが能力を発揮できるよう、女性活躍推進からダイバーシティ推進へ範囲を拡大し、社内外の課題に対応しています。
多様な社員が異なる分野の知識・経験・価値観を持ち寄ることで新しい発想が生まれ、製品・サービスの新規開発・改良に繋がります。アイネットは、性別・年齢・国籍・障がい・性的指向・性自認・価値観・働き方に関わらず、個性を活かし、能力を発揮できるような環境創りを目指します。
アイネットは以下の方針を掲げ、ダイバーシティを推進していきます。
①社員一人ひとりが活躍するための要望や課題の把握と改善
②経営側と従業員の双方が主体的に推進していくための風土づくり
③他社、地域、行政とのコミュニケーション活動に参画し、社会の課題解決に繋げる活動
アイネットは、当社が掲げるタイバーシティ方針に従い、多様な人材が能力を最大限に発揮できるよう、ダイバーシティ課題に対応していきます。
ダイバーシティ推進に組織的かつ継続的に取り組んでいくため、2018年10月にダイバーシティ推進室が新設されました。
2019年1月には、社内だけでなく多様化するお客様のニーズに対応するため、ダイバーシティ推進室は人事部から経営企画本部へ移動しました。経営戦略・IR室と連携を取りながら、ダイバーシティを推進していきます。
女性委員会の後継として、2019年7月に「ダイバーシティ委員会」が発足しました。社長を委員長、ダイバーシティ推進室を事務局とし、各事業部より1名ずつ職種、性別、年齢、役職を問わず、様々なメンバーが選出されています。人事部長が会議に参加し、制度改革や課題解決を迅速に行っています。
ダイバーシティ委員会は、部門から上がった課題について協議し、関係部署を巻き込んで施策立案、実行部隊への引継ぎを行います。
アイネットはダイバーシティ推進のため、様々な取り組みを行っています。
社員が利用するグループウェアにダイバーシティに関する意見箱(ポスト)を設置しました。ここに寄せられてた意見は蓄積し、緊急度の高いものからダイバーシティ委員会にて協議します。
会長、社長をはじめとする役員・事業部長向けに現状報告とダイバーシティの講義・グループワークを実施しています。
全社員に向けダイバーシティの基本的な知識の理解のため教育動画を作成し、全社員が視聴しました。
毎年多くの女性が新しく入社しており、新入社員の女性比率は10年以上連続で約4割となっています。仕事と家庭の両立をサポートする制度が充実していること、また先輩社員が長く活躍していることで、安心して入社していただいております。今後も継続して、女性の積極的な採用を継続していきます。
アイネットで活躍する、外国籍の社員にインタビューし、現在の取り組みや想いについてお話していただきました。
製造
課長代理
台湾
中学卒業後に渡日し、日本の高校・大学に進学。新卒で2000年に入社し、官公庁系システムの開発部門に配属され、自治体の教育委員会向けシステムの開発に携わる。3年後、現在所属するメーリングサービス事業部製造部に配属。現在は、メーリング業務のアルバイト管理を担当している。
日本語が全く話せないまま来日したので、日本語の習得が最も大変でした。
幸い日本のポップカルチャーが好きだったので、漫画やゲームの話題を通じて友だちとのコミュニケーションを取りました。
また、家庭教師やボランティアの教室などを利用して日本語を勉強したり、当時通っていた学校の校長先生が放課後に日本語を教えてくれたりしました。来日して1年ぐらいで、日常会話ができるようになりました。
メーリング業務は200名近いアルバイト社員により業務を行っており、そのアルバイト管理に従事しています。内容は勤怠の管理、雇用の管理、シフトの管理を担当しています。現在は実務を部下に引継ぎ、育成の方に力を入れています。
最初は細かく指示を与え、ある程度理解し余裕が出てきたら、自分でプランを立てて実施してもらい、サポートに徹するようにしています。また、ミスしやすい部分やうまくいかない部分の対応を一緒に考え、相手に寄り添うようにしています。
もちろん育成ばかりではなく、自分自身も新たなステージの業務にもチャレンジしています。高い位置から業務全体を見渡せるよう、業務範囲を増やすべく、日々勉強しています。
日本人は台湾人と比べて本音を話さないというところは感じますが、社会人教育を日本で受けているので、感覚的に違いを感じたことはありません。周りの社員は私に対してどの程度『外国人』と認識しているかは分かりませんが、普通に業務連絡して、時々雑談したり、皆さんと一緒だと思います。
紙媒体を扱う業務が主体である以上、やはり電子化に流れつつある社会情勢には逆らえません。
事業部もこれを認識し、現行業務を継続しつつ、新規BPO事業を模索しています。BPO事業はコールセンターや事務作業代行など幅広い分野が考えられ、アルバイトによる稼働運用で考えると、組織体制や管理方法が今までと大きく異なる可能性があります。アルバイトの皆さんが困惑しないように、今から体制作りに向けて皆さんとしっかりコミュニケーションを取っていきたいと考えています。
技術
中国
高校時代に、結婚して広島に住んでいる姉の影響で日本に留学を決めた。広島の語学学校を経て、東京の大学の経営学部に入学し、マーケティング、マネジメント、会計など様々の方面から経営の仕組みを学び、ビジネスの中心となる「企業」にかかわる知識を得る。2018年に新卒として入社し、金融系システム開発チームに配属。
日本で学んだことを仕事で発揮したいと思い、日本での就職を決めました。
中国では大学卒業してから就職活動をしますが、日本では学業と両立しながら就職活動を行うと聞いていました。私も他の学生と同様に大学3年の後期から就職活動を行い、実際に「日本の就職文化」を経験しました。
自分が担当する業務が無事に稼働する時や周りの人をサポートできた時です。携わった案件を問題なく稼働させることに、とてもやりがいを感じています。また、庶務作業を進んで行うことも、業務を円滑に進めるために重要だと考えています。チームにいい影響を与えるためにはどう動いたらいいか、考えながら仕事をするようにしています。
同期も先輩も優しいです。女性が多く、仕事の相談はもちろん、プライベートの相談も気軽にできます。特に、マスター(※)を担当してくれた先輩は今も頼れる存在で、相談に乗ってもらっています。
※入社一年目の時に、一人ひとりにマスターと呼ばれる教育担当者が付く。
配属当時、日本語の読解・文章作成・打ち合わせに苦労しました。
ドキュメント作成は、フォーマットが標準化されているためすぐに慣れることができましたが、ビジネス文章は難しく苦労しました。その時、先輩社員が、週一回私が書いた作業報告の読み合わせや修正という場を設けてくれ、その中で問題を指摘し、疑問点も解答してくれました。そのため、半年後、ビジネス文章の作成力を身に着けることができました。
疑問点は必ず理解できるまで確認し、言葉の壁をクリアする努力をしています。
技術力をもっと高めて、大型案件のリーダー(設計者)として活躍するのが目標です。まずは目の前の業務を精一杯やって、その中でさらに先の目標を決めていきたいと思っています。
技術
マレーシア
日本のアニメ文化に興味を持ち、清潔で経済力があるところに魅力を感じて、高校生の時に留学を決めた。語学学校に通い、大学では国際経済学に入学し、各国の歴史をもとに政治経済がどのように動いていったかを学んだ。2018年に新卒として入社し、WEBシステムの開発を担当。
お金の流れに興味を持ち、最初は銀行を志望していましたが、金融の仕組みを知るにはシステムを理解すること、そのシステムはシステム会社に外注していることが分かり、委託先であるIT企業に就職しようと決めました。その中でもアイネットを志望した理由は、独立企業であるため、営業からシステム保守までの工程を一貫してできるところに魅力を感じたからです。
今の案件では、一般的なウォーターフォールではなくAGILE(要件定義があいまいで、出来たものをブラッシュアップする方法)を採用しています。非常に大変ですが、今後この経験が活かせると思い、頑張っています。
ITの知識がほどんどない状態で入社しましたが、自分にとって身近なWEBシステムに携わることができたことで、稼働後の動きを想像しながら知識を習得することができました。
壁にぶつかった時、自分でまず考え、解決できなかったら、有識者に質問するという方法を取っています。一度壁にぶつかったことに関しては、都度習得するようにしています。苦労しながら解決してきたので、自信に繋がりました。
現在のチームメンバーはマレーシア、インド、中国、韓国、日本と国際的ですが、毎月同じゴールに向かって作業するため一体感があります。また、フリーアドレスでチームで固まって座り、お互いフォローをしあい、疑問を相談して解決しているので、必然的にコミュニケーションを良く取っています。
よいプロジェクトマネージャーになるための知識を得るため、期日を決めて「プロジェクトマネージャ情報処理技術試験」を取得したいと思っています。上司からは「出来ているところと出来ていないことを理解して、出来ていないところを習得すること」を指導されていますので、勉強だけでなく、日々の業務の中でも実践力を積み上げたいと思っています。
研究
タンザニア
タンザニアの高校で経済学、地理学、数学を学び、大学では灌漑と水資源工学を学んだ。その後渡日し、東京農業大学国際食料情報学部国際バイオビジネス学科に入学。大学院では国際農業ビジネスを専攻。2020年に新卒として入社し、R&D推進室に配属。
タンザニアでは、農業や陸地での水産物の養殖のため、灌漑(農業生産の効率化のために,土地に対して人為的に給排水すること)が行われています。タンザニアの大学では、灌漑、水資源工学を勉強しました。
日本の大学では、国際バイオビジネス研究を行う分科会に所属し、委員長を務めながら、たくさんの国の農業サステナビリティに関する調査をしました。大学院では国際農業ビジネスを専攻し、アクアカルチャーのIT化についての研究としてリモートセンサーにより温度設定を行ったり、魚の数や成長具合を見たり、ITを活用して淡水魚を育てるといった研究のアシスタントに従事しました。
研究では、多くのデータを処理するのにAIを活用しました。そこでAIに興味を持ち、AIを扱うアウトソーシング会社でインターンシップ研修を行いました。さらにAIやITの知識を深め、その知識を使った仕事をしたいと考え、IT企業に就職することを決めました。
アイネットでは、発足したばかりのデータサイエンティストチームがあり、そのチームが少数制でグローバルな環境であること、またこれから作り上げることができることに魅力を感じ、入社を希望しました。
製品開発の市場調査とAIモデルのトレーニングと評価を行っています。業務知識を得ることで、将来的にその分野で社会に貢献できること、また、前例のない長期的なこの案件を達成できるかもしれないことにやりがいを感じています。
同期とは、新人研修で強いつながりができました。
日本語があまり得意ではありませんが、チームメンバーは歓迎してくれ、いつでも質問に答えてくれます。皆が「大丈夫?」と確認してくれるので、ありがたく思っています。
AIコンサルタントを目指して勉強しています。
また、アイネットが多様化していくため、自分が変化のきっかけになり、よりよい会社にしたいと思っています。
もっと日本語を勉強し、社員の英語習得にも貢献できたらいいと思います。
アイネットは、シニアの活躍を推進していくため、様々な取り組みを行っています。
正社員の定年は60歳ですが、全社員65歳までの雇用を保証しています。
シニアの特性に配慮した勤務形態を導入する短時間勤務、週休3日等の柔軟な働き方を認めています。
50歳時、58歳時にシニア向けキャリアデザイン研修を開催、58歳社員には個別にキャリア面談を実施しています。また、人事部所属のキャリアコンサルタントが相談・支援を行える仕組みを導入しています。
2009年4月1日に特例子会社の株式会社アイネット・データサービスを設立し、障がいのある方が障がいのない方と同様に、その能力と適正に応じた職業に就労し、自律した生活を送ることができる社会の実現に向けた支援を行っています。
また、より多くの障がい者の方を雇用するため、そして障がい者の方が働きやすい環境を作るため、アイネットグループでは定期的に「連絡会」を開催し、課題解決を行っています。
アイネットでは女性活躍の推進を持続的成長のための経営戦略と位置づけ、積極的に女性活躍推進に取り組んでいます。女性が長く安心して働き続けられるための取り組みとして、女性向けのセミナーの開催や、働きやすい環境整備を行っています。
外部企業の講師を招いて、女性の働き方についての講話を新入社員研修の一環として実施しています。加えて、活躍している女性社員に経験談を話してもらう研修も取り入れており、社会で長く働くイメージを早い段階から意識する研修を組んでいます。
女性管理職、女性リーダー、リーダーを目指す女性社員に向け、マネジメントやキャリア形成の研修を定期開催しています。
アイネットは2015年、「かながわ女性の活躍応援団」に応援団として任命され、行動宣言を表明しております。
自社内における取組み
(1)発足5年目となる「女性委員会」の取組みや提案を積極的に取り入れるとともに、さまざまな働き方改革を展開し、誰もが働きやすく・働きがいのある企業として、育児や介護をしながらの就業継続にも繋げる。(育児休業後の就業継続者数 平成26年度24名→平成30年度39名)
(2)女性の採用拡大を継続し(平成21年度以降10年連続40%以上)、かつ女性管理職の増加のため、全ての社員の意識改革と高いキャリア形成意欲を持つための支援をし、管理職候補者(リーダー職)の積極的な登用を継続する。(平成30年度女性リーダー比率20.0%(70名)、5年後に25%超へ)
社会的ムーブメント拡大のための取組み
(1)保育施設情報の検索サイト「働くママ応援し隊」をさらに成長させ、働くパパママが直面する多くの問題を解決に導く地域子育て支援情報の充実したサイトとし、子育てや家事と仕事の両立を支援し、女性の活躍を応援していきます。
(2)神奈川県情報サービス産業協会内にて、女性活躍を含めたダイバーシティ推進活動での課題を共有し、人材交流による課題解決ノウハウの取得、働き方改革に繋がるIT技術の提供、人材不足やキャリア形成の対策など、継続的に相互補完ができるための施策を確立していきます。
アイネットは、女性活躍に関する認証資格を取得しています。
2016 年度 |
2017 年度 |
2018 年度 |
2019 年度 |
2020 年度 |
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①新卒採用に占める女性の割合※1 | 45.2% | 45.2% | 40.9% | 37.5% | 45.3% | |
②管理職に占める女性管理職の割合※1 | 4.5% | 4.5% | 4.0% | 4.4% | 4.9% | |
③役員に占める女性役員の割合※2 | 13.3% | 12.5% | 13.3% | 18.2% | 25.0% | |
④従業員に占める女性従業員の割合※1 | 21.4% | 22.2% | 23.0% | 23.5% | 24.4% | |
⑤男女別育児休業取得率※3 | 男性 | 4.2% | 6.3% | 6.8% | 7.1% | ― |
女性 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100% | ― |
※1:各年度 4月1日時点の数値。
※2:2016年~2019年は3月末数値。
2020年は6月末数値。
※3:各年度の集計。
アイネットでは、産前産後休暇や育児休業の取得も可能となっており、現在取得した女性社員の復帰率は100%となっています。また、子育てや介護と仕事の両立ができるような様々な制度を取り入れています。
アイネットは、次世代育成に関する認証資格を取得しています。
「女性の働きやすさ(冊子)」を作成し、女性に関係する制度をわかりやすく説明し、育児休業からの復帰の後押しをしたり、キャリアアップや働き方を示しています。社内イントラネットでの閲覧も随時可能にすることで男女関わらず意識向上に努めています。