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導入事例

株式会社エヌエイチケイ文化センター

導入企業
株式会社エヌエイチケイ文化センター
https://www.nhk-cul.co.jp/
業種
教育、学習支援業
導入サービス

ポイント

  • バックアップの仕組みを自動でできるように整備
  • 問題発生時に電話ですぐに対応可能
  • ログイン時のユーザ認証を厳密に

NHK文化センターのオンライン講座を支える「NGEC」

 これまで全国の教室に於いて長年に渡りカルチャー講座を提供してきたNHK文化センターでは、コロナ禍でリアル教室と合わせて新たな学びの場を提供するべく、オンラインによる講座の提供を開始した。試行錯誤の中で当初導入したContents Management System(CMS)は運用上の課題を抱えていたため、アイネットのクラウド情報基盤サービス「Next Generation EASY Cloud®(NGEC)」とユニゾンシステムズのコンテンツ管理製品「Join-View」の組合せに切り替え、より安心して運営できるオンライン講座サービスのクラウド化を実現した。

コロナ禍に伴い急遽導入したCMSの運用課題が顕在化した。

 株式会社エヌエイチケイ文化センター(以下、NHK文化センター)は、NHKのグループ企業としてさまざまなカルチャー講座を企画・運営する企業である。全国各地で23拠点のリアル教室を運営しており、約9万8000人にも上る会員を対象に、年間約4万1000の講座を開講している。
 同社はもともと会員が直接教室に足を運び、会員が一同に会して講座を受講するスタイルで長年サービスを提供してきたが、2019年に発生した新型コロナウイルスの世界的な大流行により、新たな学びの場を提供するべく2020年からはオンライン講座にも力を入れている。既存の講座をライブ配信に切り替え、会員が自宅や外出先からインターネット経由でオンライン受講できるようにするのはもちろんのこと、講座の模様を動画データとして保管し、リアルタイムで受講できなかった会員向けに「見逃し配信」として提供したり、あるいは過去に行われた講座をアーカイブ化して「オンデマンド配信」するサービスも新たに始めた。
 今では多くの会員から好評を博しているこのオンライン講座だが、NHK文化センター 経営総務室 総務部 片岡直氏はサービスを開始するに当たってはかなりの苦労があったと振り返る。
 「コロナ禍によりリアル教室が一斉に閉鎖されてしまったため、短期間のうちにオンライン講座のサービスを立ち上げる必要がありました。急遽会員様向けのWebサイトを立ち上げましたが、バックエンドでコンテンツを管理する仕組みについては、システムの構築にかけられる時間も予算も限られていたため、取り急ぎ海外ベンダー製のSaaSを採用することにしました」
 このサービスは、オンライン講座のコンテンツを登録・保管・検索するための基本的な機能は一通り備えており、これをフロント側のCMSシステムと連携させることで何とかオンライン講座サービスの提供を開始することができた。しかしサービスの提供を続けていくうちに、システムの運用面でさまざまな課題が露呈してきたという。
 「このサービスは海外製だったので表記がすべて英語で、しかもベンダーへの問合せもすべて英語のメールで行う必要があり、何か問題が生じた際にどうしてもスピーディーな対応がとれませんでした。またバックアップの仕組みも備わっておらず、せっかく手間をかけて制作したコンテンツがシステム障害で消失してしまうリスクが付きまとっていました」
 こう語るのは、NHK文化センター 事業本部 オンライン事業部長 遠藤弘樹氏。これまで制作してきた動画データは同社にとって極めて貴重な資産であり、これをシステム障害により失ってしまうリスクは経営の観点から見ても到底許容できないため、これに代わる新たなコンテンツ管理の仕組みが求められていた。

「NGEC」と「Join-View」の組合せでCMSを再構築した。

 2021年の秋ごろ、同じNHKグループ内のIT関連企業にこの課題について相談を持ち掛けたところ、アイネットの紹介を受けた。
 アイネットは既にNHKグループ企業と様々なサービスを提供してきた実績があり、その高い品質や充実した支援サービスが高く評価されていた。
 そこで打ち合わせを重ね、今回の組み合わせがベストソリューションと言う事で提案を受けた。
 NHK文化センターがそれまで抱えていた課題を解決できる見込みが高かったため、同社は早速その導入を前向きに検討することにした。同社 事業本部 オンライン事業部 講座クリエーター 岩噌諭史氏は、NGECとJoin-Viewに対して抱いた印象を次のように語る。
 「それまでのシステムではコンテンツを毎回自分たちでダウンロードして保管しなければならなかったのですが、NGECなら運用サービスの一環としてバックアップをとってもらえるので、効率的にコンテンツを保護できます。またJoin-Viewは国内ベンダーの製品ですから日本語化されており、サポート窓口も日本語で丁寧に対応してもらえるので、より安心して運用できるようになると考えました」
 こうした理由から、同社は正式にNGECとJoin-Viewとの組合せを採用することを決定。2022年4月から同社のオンライン事業部のメンバーとアイネットのエンジニア、そして株式会社ユニゾンシステムズのエンジニアも交えた導入プロジェクトを立ち上げ、新コンテンツ管理システムの構築作業をスタートさせた。

確実なバックアップと充実したサポートによる高い安心感

 導入プロジェクトの過程では幾つか技術的な課題に突き当たったものの、それらを一つひとつクリアしながら最終的にはプロジェクト立ち上げから半年後の2022年10月に無事本番運用を開始することができた。
 もともと抱えていた課題の1つであるバックアップに関しても、NGECの運用サービスの一環として自動的にバックアップがとられるようになったため、不測の事態により貴重な動画資産が失われるリスクが最小化され、安心してシステムを利用できるようになったという。
 またそれ以上に、クラウドインフラやアプリケーションに関する問い合わせを日本語でできるようになり、かつベンダー側で迅速に対応してもらえるようになった点が非常に大きいと同社 事業本部 オンライン事業部 講座マネージャー 山﨑賢助氏は語る。
 「それまではシステムで何か問題が発生すると英語のメールで問合せる必要があり、かつその問題がいつ解決されるかも分からない状態でした。しかしNGECとJoin-Viewとにリプレースした後は、メールや電話で状況を説明すればすぐ対応してもらえますし、対応状況も逐一報告していただけるので、我々としてもユーザーに状況を説明しやすくなりました」
 同社では全国各地に散らばる支社でも独自にコンテンツを作成・登録する機会も多く、何かシステムに問題が生じた場合は支社のユーザーから本社に対して問い合わせが入ることも多い。そうした場合でも、NGECとJoin-Viewならベンダー側が連携し迅速に的確な対応をとってくれるため、支社のユーザーに対して適切に説明を行えるようになったという。
 さらに片岡氏は、セキュリティ対策を強化する上でもJoin-Viewの導入は効果的だったと語る。
 「以前使っていたシステムは、IDとパスワードが漏れてしまったら誰でも正規ユーザーに成りすましてログインできる状態だったのですが、Join-Viewはより厳密にユーザー認証を行うことができるので、セキュリティ対策を強化できました。バックアップの強化と合わせて、より安心してシステムを利用できるようになりましたね」

今後はさらにコンテンツの数を増やしてサービスのさらなる拡充を

 こうしてNHK文化センターは、NGECとJoin-Viewとを導入することによって、コンテンツ資産を安全に保護しながら効率的にオンライン講座を運営できるようになった。現在はその利便性をさらに高めるために、継続課題として捉えているコンテンツアップロード時間の短縮やネットワーク環境の強化などの検討を進めており、今後も中長期的な視点に立ってオンライン事業への投資を続けていくとしている。
 具体的にはさらにコンテンツの数を増やしてオンデマンド配信サービスの内容を拡充するとともに、そこで得られた収益をさらなるサービス改善に生かしながらオンラインサービス全体の品質向上を図っていきたいと遠藤氏は将来構想を語る。
 「コンテンツの数を増やしていくためには、クラウドやネットワークのインフラをより強化していく必要があります。そのためにもアイネットには今後とも優れたクラウドインフラとその運用サービスをご提供いただきながら、ともにサービス品質の向上に取り組んでいければと考えています。

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