東京都品川区に本社を構えるアルファコンピュータ株式会社(以下、アルファコンピュータ)は、文教・公共分野において長年に渡り豊富な実績を築き上げてきたITソリューションベンダー。文教分野においては、同社の親会社である日本システム技術株式会社(JAST)が大学向けに提供する学校事務支援統合システム「GAKUENシリーズ」をはじめ、数多くの大学に価値の高いICTソリューションを提供してきた。
ソリューション提案にあたっては単に製品を提供するだけでなく、システムの検討段階におけるコンサルティングや製品選定支援、インフラの構築・運用、システムの構築・保守に至るまで、大学システムのすべてのライフサイクルに渡って一気通貫でトータルサービスを提供している。中でも近年特にユーザーから高い評価を得ているのが、GAKUENシリーズが稼働するインフラ環境一式をクラウドサービスとして提供する「GAKUENデータセンター」だ。
GAKUENデータセンターは、もともとユーザーのオンプレミス環境に導入するパッケージ製品として提供されてきたGAKUENシリーズを、そのインフラ環境と運用サービスも込みで提供するというもの。同サービスの提供に至った経緯について、アルファコンピュータ クラウドサービス部 部長 松原弘晃氏は次のように説明する。
「2011年の東日本大震災以降、大学のお客様の間でもBCPやデータセンター利用に対する意識が高まってきました。そこでこうした潮流に対応すべく、2014年からお客様の環境を丸ごとデータセンターでお預かりするサービスを始めました。データセンター基盤としては、当初はアイネットの『EASY Cloud』を利用していましたが、当時はまだユーザーが1大学しかなく、十分なコストメリットを見いだせませんでした」
そこで翌2015年、よりコストメリットとスケーラビリティを得るべく、外資系ベンダーのパブリッククラウドサービスの利用を始めた。しかし今度は、クラウドインフラ内部の構成や稼働状況が完全にブラックボックス化されてしまったため、サービス品質が低下してしまう恐れが出てきた。
そこで同社は翌2016年、このパブリッククラウドサービスのサービスメニューの1つである「ベアメタルサーバ(物理サーバ)」を使い、ハードウェアを除いたサーバ環境全体を自分たちで構築・運用することでサービスレベルの維持とコストの最適化を実現することにした。
