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導入事例

エバラ食品工業株式会社

導入企業
エバラ食品工業株式会社
https://www.ebarafoods.com/
業種
調味料食品の製造販売
導入サービス

ポイント

  • 東日本大震災を機に計画を前倒しして、コロケーションサービスの利用を決定し、立地とデータセンターのセキュリティレベル高さを評価し選定。
  • 10年間の稼働期間中にトラブルゼロ。
  • ITシステムの災害対策強化を達成、事業基盤が大幅に強靭化。

「10年間ノートラブル」のコロケーションサービスで業務システムの大幅な強靭化を実現

エバラ食品工業株式会社(以下、エバラ食品)ではかつて、自社オフィス内に設置したサーバルームでIT機器を運用していたが、東日本大震災を機にアイネットのコロケーションサービスの利用を開始。災害に強い強靭なITシステムを実現するとともに、堅牢かつセキュアなITインフラ運用体制を構築した。

震災を機にIT設備を急遽データセンターへ移設することに

 焼肉のたれをはじめとする調味料食品の製造・販売会社として知られるエバラ食品。同社の商品は今や日本の食卓に欠かすことができない存在となったが、同社はさらなる成長を目指して現在デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを進めており、ITの活用を通じて顧客接点の強化を図っている。

 そんなエバラ食品のITシステムを支えているのが、アイネットの提供するコロケーションサービスおよびクラウドサービスだ。現在エバラ食品が利用する業務システムの大半をアイネットのデータセンターで稼働しているが、10年前までは、自社オフィス内に設置されたサーバルームですべてのシステム運用をまかなっていた。エバラ食品 経営統括本部 情報システム室長 勝田一也氏は、当時を次のように振り返る。

 「横浜にある本社ビルの中に設けたサーバルームにサーバをはじめとしたすべてのIT機器を置き、大阪オフィスにバックアップ機器を置いていました。しかし、本社ビルは免震構造ではないうえ、電源のバックアップ設備もなかったため、災害対策という面で不安がありました。そのため、データセンターへ設備を移設する計画を検討していました」

 実際、2011年夏を目途にデータセンターへシステムを移行する計画を具体的に検討していたが、急遽これを繰り上げざるを得ない事態が発生した。2011年3月に発生した東日本大震災だ。東北地方では地震によってIT機器に大きな被害が及ぶ事例が相次ぎ、また首都圏でも輪番停電により多くの企業でITシステムが影響を受けた。エバラ食品が本社オフィスを構える地区は停電の影響を受けることはなかったが、ITシステムの災害対策にはもはや一刻の猶予もなかった。

 そこで当初の計画を大幅に前倒し、自社オフィス内に設置してあるIT機器を、安全なデータセンターへ可能な限り早く移設する方針を急遽打ち出した。

近隣にありセキュリティレベルの高い、アイネットのデータセンターを選択

 早速移設先となるデータセンターの選定を始め、複数のベンダーに提案・見積もりを依頼した。その際に重要な要件としてエバラ食品が挙げたのが、「本社オフィスと地理的に近いこと」だった。

 「『オフィスに機器があり、何かあればすぐ作業ができる』という仕事のやり方にすっかり慣れていたので、遠方のデータセンターを利用することには抵抗がありました。そこで、本社オフィスから地理的に近いデータセンターを使いたかったのですが、そうなると今度はコストが跳ね上がってしまい、予算内になかなか収まりませんでした」(勝田氏)

 そのような中、エバラ食品が最終的に選択したのが、アイネットが提供するコロケーションサービスだった。決め手はデータセンターがエバラ食品の本社オフィスと比較的近くに立地しており、かつコストが予算内に収まるという点だった。データセンターに赴いて作業を行う必要が生じた際も、アイネットのデータセンターであれば本社オフィスから1時間以内に到着できる。

 もちろん、データセンターの設備や運営体制、セキュリティ対策などにおいても抜かりがないところも決め手になったという。

 「データセンターを見学させていただき、設備がとても堅牢で、かつ運用体制やセキュリティ対策もしっかりしていたため、最終的にアイネットのコロケーションサービスを利用することに決めました。また当社と同じく横浜に本社を構える企業ということで、とても親近感を感じました」(勝田氏)

 こうして2011年3月、エバラ食品はアイネットのコロケーションサービスの導入を正式に決定した。早速、本社オフィスからデータセンターへのシステム移行計画の検討を始め、4月末から5月初めにかけて移設作業を実施。ゴールデンウィーク明けには本番運用を開始した。

 わずか2カ月間という短期間でのスピード移行を可能にした背景には、アイネットによる手厚い移設支援があったという。

 「移行計画の策定段階からアイネットの担当者に支援していただき、万が一移行に失敗した場合の切り戻し手順まで作成していただきました。当社はこれまで自社のサーバルームでシステムを運用していたため、システム移行作業は初めてだったのですが、アイネットの万全のサポートのおかげで大きなトラブルもなく無事移行を済ませることができました」(勝田氏)

エバラ食品工業株式会社
管理本部 情報システム室長
勝田 一也氏

10年間の稼働期間中に一度のトラブルもなし

 2011年5月にシステムの稼働を開始して既に10年が経つが、今までデータセンターの設備やサービスに起因するトラブルが発生したことは一度もなく、極めて安定して稼働しているという。エバラ食品 情報システム 課長 中野森次氏は、その安定ぶりについて次のように語る。

 「これだけ長期間に渡って一度のトラブルもなく安定稼働していることから、運用作業の担当者も絶大なる信頼を置いています。数カ月前、本社オフィスで瞬断があり、ネットワーク接続が切断する問題が発生しました。発生当初は、社内の全PC・サーバが一斉にネットワークから切断され大問題が起きたと思い肝を冷やしましたが、データセンター内の機器は何事もなく稼働していたため、改めてデータセンターへ移設して良かったと実感しました」

 またセキュリティ面においても、極めて厳格な入退室管理を行っているため安心感が高いという。再入館する際にも、正規の入館手続きを再度要求されるほど厳格なチェック体制を敷いており、「融通が効かないと感じる方もいるかもしれませんが、私たちとしてはそこまで厳格にチェックしていただいていることにとても安心感を覚えます」と中野氏は高い信頼を寄せる。

 またサーバの稼働状況を24時間・365日体制で監視してくれるため、自社で監視作業を行っていた時と比べて早期にトラブルやその予兆を検知できるようになり、さらなる安定稼働につながっているという。

 もちろん「ITシステムの災害対策強化」という当初の目的も達成されため「事業基盤が大幅に強靭化された」と勝田氏はその成果を高く評価する。

 「もし本社オフィスが被災して使えなくなってしまっても、業務システムはアイネットのデータセンターで稼働し続けるため、他の事業所からアクセスして業務を継続できます。実際にそのような事態を想定した災害対策の予行演習も行っており、BCPの大幅な強化ができたと考えています」

エバラ食品工業株式会社
情報システム室 部長
中野 森次氏

アイネットのクラウドサービス「EASY Cloud」でファイルサーバを構築・運用

 さらにエバラ食品では、かつて自社で運用していた全社共通ファイルサーバを廃止し、アイネットが提供するクラウドサービス「EASY Cloud」を使って新たにファイルサーバを構築・運用している。オンプレミスのファイルサーバからクラウドのファイルサーバへ移行した主な理由について、勝田氏は「ディスク容量の拡張性」を挙げる。

 「近年では、動画や画像の大容量ファイルを利用する機会も増え、ファイルサイズの拡大に伴いファイルサーバのディスク容量も常にひっ迫していました。しかしオンプレミスのファイルサーバでディスク容量を増やすとなると機器の手配や設置作業などに時間がかかり、柔軟性に欠けていました」

 しかしクラウドサービスなら、追加容量が必要になった際にも必要な分の容量をすぐ拡張できるため、より柔軟な運用が可能になる。こうしたクラウドのメリットに着目し、主要クラウドベンダーのサービスを比較しながらファイルサーバのクラウド移行を検討したが、最終的に選んだのはアイネットが提供するクラウドサービス「EASY Cloud」だった。

 「やはり国内のデータセンターで確実にデータを保管できる安心感もあり、『EASY Cloud』を選定しました。今後も『EASY Cloud』をはじめとするクラウドサービスを積極的に活用しながら、業務のペーパーレス化などのデジタル化施策を積極的に推進し、DXの取り組みをさらに加速させていきたいと考えています」(勝田氏)

エバラ食品は今後もDX化をさらに加速させていく予定だ

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