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導入事例

日本工学院専門学校

導入企業
日本工学院専門学校
https://www.neec.ac.jp/department/it/aisystem/
業種
教育、学習支援
導入サービス
関連記事
https://www.neec.ac.jp/department/it/aisystem/news/2021/10/20/65/

ポイント

  • 二酸化炭素濃度をリアルタイムで可視化、評価を可能に。
  • Wi-Fi接続情報提供だけで簡単にスピード設置&導入。
  • 学内外への計測データ開示により、安心感を提供。

二酸化炭素濃度をリアルタイムに可視化することで教育現場の安全・安心を担保

 国内屈指の規模を誇る総合専門学校の日本工学院では、コロナ禍に伴う教室の「三密対策」を客観的に評価するためにアイネットの「i-visible CO₂」を導入。二酸化炭素濃度をリアルタイムで可視化することで教室内の安全を担保するとともに、計測データを公開することで学生や保護者により高い安心感を提供できるようになった。

教室の「三密対策」を客観的に可視化・評価するには?

 6カレッジ/34学科/103専門コースと国内屈指の規模を誇る総合専門学校である日本工学院。「理想的教育は理想的環境にあり」との教育理念に基づき、多様な分野で新たなモノやコトを創り出せる人材「若きつくりびと」を多数育成して社会に輩出し続けている。

 同校は東京の蒲田と八王子、そして北海道の登別にそれぞれキャンパスを構え、各専門分野の即戦力を育成するために充実した環境・設備と講師陣を取り揃えている。なお蒲田キャンパスには、同じ学校法人片柳学園に所属する東京工科大学や東京工科大学付属日本語学校の校舎も併設されており、5000~6000人の学生が日々学んでいる。

 しかし新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化して以降は、キャンパス内の「三密」を回避するために登校人数を校舎の収容キャパシティの50%以下に抑えたり、各教室でこまめに換気したりサーキュレータを導入するなどさまざまな配慮を行ってきた。

 蒲田キャンパスでITカレッジ AIシステム科の主任教員を務める岩堀信一氏も、自身が担当する教室で三密を防ぐためにさまざまな工夫を凝らしてきたという。

 「これまでは大きな教室をパーティションで2つに区切って2クラスの授業を行ってきましたが、コロナ禍以降はパーティションを取り払って従来の2倍の広さに1クラスを収容しています。これによって『密集』『密接』を避けるとともに、教室の換気を徹底することで『密閉』も避けるよう気を付けてきました」

こうした対策を各コースの授業内容に応じて担当教員が行うことで、同校では感染クラスタの発生を抑えつつ、同時に授業の質をコロナ禍以前とほぼ変わらないレベルに維持できているという。ただし岩堀氏によれば、若干の不安も抱えていたという。

 「確かに万全の対策を行ってはいましたが、それらが本当に効力を発揮できているのか客観的に把握する術がありませんでした。そのため今の対策で本当に十分なのかを確認するためにも、また学生やその保護者の方々に安心していただくためにも、対策状況をデータで可視化できる仕組みがあればいいなと考えていました」

日本工学院専門学校
ITカレッジ AIシステム科 主任
岩堀 信一 氏

「i-visible CO₂」で教室の二酸化炭素濃度をリアルタイムで可視化

 そんな折、学校関係者を通じてたまたま耳にしたのが、アイネットが提供するCO₂データ分析サービス「i-visible CO₂」の存在だった。同サービスはCO₂・温湿度センサーユニットの計測データを1分おきにインターネット経由でアイネットのデータセンターに送信し、そのデータをユーザーが即座にクラウド経由で確認できるというもの。その時点での温度、湿度、二酸化炭素濃度の値をリアルタイムで可視化できるとともに、もし値が一定のしきい値を超えた場合は管理者にアラートメールを自動送信する機能も備える。

 i-visible CO₂のことを初めて知った岩堀氏は、直感的に「これぞまさに探し求めていたソリューションだ」と感じたという。

 「二酸化炭素濃度を実際にセンサーで測定することで、現在の対策が本当に有効かどうかを客観的に評価できるようになります。またスマートフォンからインターネット経由でデータをリアルタイムで確認できますから、この仕組みを学生の保護者の方々にも開放することで、より高い安心感を提供できるのではないかと考えました」

 早速アイネットとコンタクトを取り、直接サービスの説明を受けてデモを見たところ、こうした期待は確信へと変わっていった。こうして正式にi-visible CO₂の採用を決定した同校は、早速2021年3月から導入作業を開始。導入対象となった教室は、真っ先に手を挙げた岩堀氏が担当するAIシステム科の2教室と、同じくITカレッジに所属する情報ビジネス科 ホテルコースの実習教室の1教室に加えて、クリエイターズカレッジで演劇やダンスのレッスンに使う2教室の計5教室に決まった。

 ITとはまったく畑違いの演劇やダンスの教室に導入した経緯について、岩堀氏は次のように説明する。

「ITカレッジの授業はほとんどが座学なのに対して、演劇やダンスコースの教室は人が激しく動き回るので、やはり二酸化炭素濃度により気を遣う必要があります。そこで担当教員に声を掛けたところ、『ぜひ導入したい』という返事をもらいました。また座学中心の教室よりこういう教室の方が、データの傾向にもより特色が表れるでしょうから、学生の研究対象としてもふさわしいのではないかと考えました」

 同氏が担当するAIシステム科では「ビッグデータ分析」も扱っており、学生の中にはビッグデータ学習のテーマとしてi-visible CO₂のデータを取り上げたり、卒業制作の題材にする動きも持ち上がっているという。

計測データをクラウドを通じて学生や保護者にも公開

 i-visible CO₂の導入作業は2021年3月末から5月上旬にかけて、各教室ごとに分けて段階的に行った。1つの教室にCO₂・温湿度センサーユニットを2個ずつ設置し、5教室で計10個を設置した。設置作業はアイネットの担当者がすべて行い、同校側は作業の立ち会いとWi-Fiの接続情報を提供するだけで済んだという。

 校内のWi-Fiに接続したセンサーユニットは、計測データをそのまま直接アイネットのクラウド環境に送信するので、校内に別途サーバやゲートウェイ機器などを設置する必要はない。またシステムの設定やカスタマイズ作業も一切不要なため、導入作業は極めてスピーディーに運んだという。

 「一般的なシステム導入に付き物の要件定義や開発、テストといった作業は一切不要で、最小限の手間で導入できました。代わりに、仕様のカスタマイズは効かないので自由度は決して高くありませんが、その分手早く導入できますし、特に不便を感じることはありませんでした」(岩堀氏)

 なおITカレッジの3教室に導入したセンサーに関しては、測定値を誰でも自由にスマートフォンからアイネットのクラウド環境にアクセスして参照できるようにした。教室内のセンサーの設置場所にクラウド接続のためのURLのQRコードを貼り出し、これをスマートフォンで読み込むことでその時点の二酸化炭素濃度を誰でも自由に参照できるという。

 「学生はもちろんのこと、保護者の方々にもこのURLは公開して、どこにいてもスマートフォンから教室の二酸化炭素濃度をリアルタイムで確認できるようにしています。またオープンキャンパスに来校いただく方々にもこの仕組みには興味を持っていただいており、在校生とその保護者に安心を提供するだけでなく、入学希望者にも安全・安心をアピールできていると思います」(岩堀氏)

 現在では岩堀氏が業務の合間時間などでi-visible CO₂の管理コンソール上で各センサーの計測データをチェックして、もし何らか特徴的な動きが見られた場合は各教室の担当教員にフィードバックするようにしている。またアイネットから毎月送られてくる報告レポートの内容もチェックし、全体的な傾向を把握するようにしているという。

教室のCO₂濃度をリアルタイムで確認可能

三密対策の客観的な評価と学外への安心感の提供が可能に

 導入直後から数カ月間、各教室の計測値を定常的に観測した結果、二酸化炭素濃度は正常値の範囲内で比較的安定しており、それまで行ってきた三密対策が功を奏していることが分かった。人が激しく動き回る演劇・ダンスのレッスン教室は他の教室と比べると値の上下が激しくなってしまうものの、それでもピーク値が危険領域まで達することもなく、学校側としてもこれまでの対策の効果が客観的に評価できるようになり安心感が高まったという。

 なお運用開始後、センサーユニットのWi-Fi接続に何度か問題が生じたが、アイネットの担当者が即座に駆け付けて対応してくれたため事なきを得たという。

 「トラブルの原因はセンサーユニットではなく当校のWi-Fi環境にあったのですが、すぐにアイネットの担当の方が直接いらして対応してくれたので本当に助かりました」(岩堀氏)

 なおこうした導入効果を受け、同校の総務部門が食堂へのセンサーユニット設置を検討するなど、現在ほかの部門でもi-visible CO₂の導入を検討する動きが出てきているという。こうした将来構想を実現する上でも、「今後ともアイネットさんとは末永いお付き合いをさせていただければ」と岩堀氏は期待を込めて話す。

「管理コンソールの使い勝手の改善など、ユーザーからの声を適宜サービスに反映していただいているので、今後もそうしたサービス改善はぜひお願いできればと思います。加えて、アイネットの坂井社長に八王子キャンパスで講演いただいたり、当校の学生をインターンシップに受け入れていただけるなど、さまざまな面で交流の機会を設けています。産学連携で学生にリアルで有益な体験の場を提供するというのが当校の重要な教育理念の1つですので、アイネットさんとはそうした面も含め、今後とも多面的なお付き合いをさせていただければと思っています」

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