1990年に設立され、現在は東京都品川区に本社を構える独立系SI企業の株式会社WorkVision(以下、WorkVision)。古くは1950年に設立された川崎タイプライタ株式会社を発祥とし、その後複数の東芝関連企業が合併を繰り返しながら、やがて東芝グループを代表するSI企業へと規模を拡大してきた。
現在は東芝グループから離れ、芙蓉リースグループの一員として主に中堅・中小企業向けのSIソリューションを展開している。公共機関および医療機関向けのソリューションにも定評があり、現在では「民需」「公共」「医療」の3分野を中心にSI事業を広く手掛ける。
そんな同社のビジネスモデルは、かつてはフルスクラッチのシステム開発と、それに関連するハードウェア製品の販売が中心だった。しかし数年前から、クラウドやサブスクリプション形式を中心とするビジネスモデルへの転換を進めてきたという。
「世の中のクラウド活用やDXの趨勢に対応していくために、かつてのスクラッチ開発とハードウェア中心のビジネスモデルから、パッケージ製品やクラウドサービスを主力とするビジネスへの転換を現在進めています」
こう語るのは、WorkVision 執行役員 マーケティング統括部長 河西優司氏。かつて大半のシステム導入案件をスクラッチ開発で対応してきたところを、「パッケージ製品+アドオン開発」に方針転換し、さらに現在ではオンプレミスのパッケージ製品だけではなく、クラウドのSaaSサービスとして数々の業務アプリケーションを提供している。
さらに2021年からはSaaSだけでなく、ITインフラの機能をクラウドサービスとして提供するIaaS型のサービスの提供にも乗り出した。その背景について、同社 経営企画部 企画・DX推進グループ 事務主任 牧田季憲氏は次のように説明する。
「SaaSでは海外のクラウド基盤を利用していたのですが、クラウドにより深くコミットして自社のブランディングを強化するためには、自社製の独自クラウドサービスを打ち出す必要があると考えました。そこで自社の名前を冠した独自のIaaSサービスを新たに企画することになりました」
