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「PTAに入らない」はもう古い?進むデジタル改革と最新の活動内容とは

2022年08月03日生活・子育て

子どもの健やかな育成のために教師と保護者が手を携えて取り組む―PTA活動は有意義な活動です。
ただ、それはわかっていても、PTA活動に参加するのはなかなか大変だという側面もあります。特に役員ともなると、多くの時間を割いてさまざまな作業をしなければならず、負担が増します。
ましてや、仕事をもつ女性が増えた現在、働く保護者にとっては時間のやりくりが難しく、尻込みする人が多いのが現状。

そこで、最近は、PTA主導でアプリやサービスを導入し、ペーパーレス化や業務の大幅な効率化に成功した事例がみられます。
また、PTAと外注先企業をマッチングさせるサービスを利用して、PTA活動を外注するという動きも拡がっています。

本稿ではPTA活動のこれまでの流れを把握した上で、主にプレスリリース記事から、PTA活動を支援する最新サービスをご紹介します。

そもそもPTAとは?

PTAの在り方を探るために、ここではそもそもPTAとは何かについてみていきます。

PTAのはじまりと趣旨

PTAとは、保護者(P=Parents)、教師(T=Teacher)、組織(A=Association)の略です。
PTAのはじまりは、終戦の年1945年(昭和20年)のこと。*1
当時の文部省が発表した戦後の教育方針に盛り込まれ、さらにアメリカの教育使節団報告書によって、PTAの設立と普及が推奨されました。
それを受けて、文部省が全国的にPTAの導入を推進した結果、地域あるいは都道府県単位の協議会が組織されるまでになったのです。

当時の手引書には、その趣旨が以下のように謳われています。

子どもたちが正しく健やかに育っていくには、家庭と学校と社会とが、その教育の責任を分け合い、力を合わせて子どもたちの幸せのために努力していくことが大切である。

こうしたコンセプトは現在もそのまま生きています。

文部科学省は2019年に新しい教育に向けたビジョンを公表し、家庭や地域の人々とともに子供を育てていくという視点に立ち、地域全体で子供たちの成長を支えることが大切だと、PTA活動への期待を述べています。*2

PTA活動の流れ

ただし、PTAは学校とは別の団体で、加入の義務はありません。
もっとも、保護者に意思確認をしないで、入学時に全員加入させているPTAもあるようです。*3

では、保護者や教師はPTAに関してどのような認識をもっているのでしょうか。
また、現在のPTA活動はどのようなものなのでしょうか。

PTAに関する認識

ここでは、2021年12 月に、保護者と教員それぞれ600名を対象として行われた、PTAに関する意識調査の結果をみていきましょう。*4

まず、PTAへの参加が任意だと知らなかった保護者は約20%でした。
では、PTAの必要性に関してはどうでしょうか。

図1 PTAの必要性に関する意識
出典:東洋経済オンライン(2022)「保護者と教員1200人調査でわかった「PTAは必要?」の超本音 肯定派が半数超えでも、改革は急務なワケ」
https://toyokeizai.net/articles/-/514198

図1のとおり、保護者も教員も「必要」という回答が50%を超えていますが、「必要」が「不必要」と比べて圧倒的に多いというわけでもありません。

「不必要」の理由として多くの回答者が挙げていたのは、次のようなコメントでした。
  • 無駄な会議や集まりが多い
  • 仕事との両立がしにくい。時間が取れない(平日昼間に集まるのが難しい)
  • 必要のない役職も多い。役職を維持するために仕事をつくっている
また、PTAの活動自体は「必要」とした回答者であっても、PTAのデメリットとして以下のようなことを挙げています。
  • 仕事を休んでまで参加するのが大変
  • 選出が変
  • 任意であるはずなのに毎回大強制的
  • 前例重視で改革ができない
以上のことから、仕事とPTA活動との両立が難しいと考えている保護者が多いこと、活動内容に関して不満を抱いている保護者もいることが窺えます。

現在のPTA活動

PTA活動は学校によってさまざまです。*1
例えば、バザーや廃品回収、ベルマーク集めなどを経験された方も多いのではないでしょうか。
以前は、保護者が学校に集まって打ち合わせをしたり、さまざまな場所で活動したりしていました。

しかし、現在は、働き方や価値観、家族形態が多様化しています。
文部科学省も、そうした状況をふまえ、それぞれのPTAが組織運営や活動内容を工夫して、働く保護者がPTA活動に参加しやすい方向で運営していく必要性を指摘しています。*5

例えば、本当に必要な活動を取捨選択したり、運営の効率化を図るために内容を工夫するなどして、多くの保護者がPTA活動に参加できるように改善を図っているところもあるようです。

デジタルサービスを活用した新たなPTA活動

以上のような流れから、現在はデジタルサービスを活用するPTAが増加しています。
最新サービスをみていきましょう。

クラウドPTA活動ソフト

最初にご紹介するのは、PTA活動をクラウド上で行うことができるソフトです。*6

PTA役員の任期は通常1年です。つまり、不慣れな活動をしていくことになるため、その活動を定型化し、それをデジタル化するのが難しい状況があります。
また、役員になった保護者など、一部の人に負担が集中してしまうという状況もあります。

このような課題を解決するため、経費精算や入会管理などPTA活動に不可欠な活動をデジタル化するサービスが開発されました(図2)。

図2 クラウドPTA活動ソフトでデータ化できること
出典:PR Times(2022)クラウドPTA活動ソフト「polyfit(ポリフィット)」α版の提供開始(2022年1月17日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000088827.html

このソフトはスマホからもアクセス可能なため、外出先や帰りの電車などでも簡単にペーパーレスで作業することができます。
PTAへの入会も、それぞれの保護者が招待URLから簡単に手続きすることができるため、特定の人に負担が偏ることがありません。

多機能アプリ

次にご紹介するのは、現役のPTAや子ども会の役員を担当するメンバーによって開発・運営されている多機能アプリです(図3)。*7

図3 PTA運営を楽にする多機能アプリ
出典:Piita ホームページ
https://piita.jp/

このアプリでできるのは、PTA会費のオンライン集金、会員管理、ファイル共有、オンラインお便り、さらには役員の引継ぎをスムーズに行うことなどです。

会費の集金はクレジットカードか銀行振込でキャッシュレス、セキュリティも万全とのことです。*8

お便りの配布をオンラインで行うことで、手間も印刷代も節約することができ、紛失を防ぐこともできます。

これまではPTA活動に関わる情報は紙のファイルやUSBメモリの受け渡しによって管理していましたが、紛失の心配がありました。このアプリなら、ファイルデータをアップロードして役員で共有管理できるので失くす心配もなく、安心です。

また、PTAは毎年役員が入れ替わるため、例年行っている行事や会費の集金方法など引き継ぎ項目が多く、役員の引継ぎはこれまで非常に煩雑でした。*7 しかし、このアプリを使えば「引き継ぎの流れ」が明確に把握できるため、初めて役員を引き受けた人同士でもスムーズに引き継ぎを行うことができます。

PTAと企業とのマッチングサービス

これまでみてきたように、PTAは必要だと考えている保護者であっても、参加するのに困難を感じたり、活動内容に不満を抱えたりしています。

こうした状況から、現在は、PTA活動を外注するニーズが高まり、PTAと外注先の企業をつなぐサービスに注目が集まっています。

次にご紹介するのは、2020年に日本で初めてPTAと企業のマッチングサイトを設立した企業のサービスです。*9
このサービスへの登録状況は、2022年3月時点で、全国38都道府県、PTA登録総数400以上に上り、PVも15万に達しています。

このサービスの運営者は、小学校のPTA副会長を務めた経験から、無理なくPTAに参加できる仕組みが必要であることを痛感して、このサービスを始めました。

PTAが安心してアウトソースするためには企業を厳選する必要があります。
このサービスでは、企業に対して以下のような審査基準を設けています。
 1)業務内容や所在地がわかるHPを所有している
 2)法人格である *業種によっては個人事業主も登録可
 3)創業から3年以上経っている

さらに、上記の基準を満たした上で、運営者との面談をクリアした企業のみが「PTAサポーター企業」として、登録・掲載されています。

「PTAサポーター企業」には、以下の12の「業種カテゴリー」があります。

  1)印刷・仕分け・アッセンブル関連
  2)清掃・クリーニング・花壇の手入れ関連
  3)警備・防犯・セキュリティ関連
  4)IT 導入支援・システム関連
  5)記念品・名入れ関連
  6)出張授業・講師派遣関連
  7)旅行・遠足・社会見学関連
  8)消毒作業・アイテム関連
  9)防災グッズ・訓練関連
 10)大物・小物・大量レンタル関連
 11)制作・撮影・編集等クリエイティブ関連
 12)行事・イベント等サポート関連

この他に、最近、書記業務のアウトソーシングも加わりました。*10
こうした業種を見ると、これまでPTA会員が担ってきた活動がいかに多岐にわたり、また手間暇がかかるものだったかがわかります。

さまざまなサービスを活用する前に、果たしてその活動は本当にPTAが担うべきものなのか検討した方がいいという指摘もあります。*3
前述の意識調査結果からも、不必要な活動があると考えている保護者がいることが窺えます。
一度、活動内容自体を検討してみるのも重要なポイントかもしれません。

シンプルなチャットアプリ


図4 「学校保護者間あんしん連絡サービス」のアプリ
出典: アイネット「学校保護者間あんしん連絡サービス」(ChatLuckSC製品ページ)
https://www.inet.co.jp/product/cloud/chatluck-sc.html

最後にご紹介するのは、コロナ下などでの双方向コミュニケーションをサポートする「学校保護者間あんしん連絡サービスChatLuck SC」です。*11
日頃の遅刻・欠席などの連絡に便利なアプリですが、後でご紹介するように、遅刻・欠席以外の連絡にも活用でき、アンケートもとれるなど、PTA活動にも役立つ機能を備えています。

SCは「School Connect」の略。
ありそうでなかった、学校と保護者を結ぶチャットアプリです。

今回のコロナ禍では、多くの保護者が一斉に学校へ連絡を入れたため、電話回線がパンクしたり、メールの返信がなかなか来なかったりと、学校と保護者の「連絡」に関するさまざまな課題が浮き彫りになりました。
朝の忙しい時間帯に学校へ電話しても、話し中であったり、担任教師が他の電話への対応中であったりと、なかなか通じないケースもあったのではないでしょうか。

その点、ChatLuck SCなら、遅刻・欠席の連絡は必要項目を選択してチャットするだけ。
つながるまで電話をかけ続けることも、長い保留音を聞きながら待たされることもありません。
家庭からでも外出先からでも通勤中でも、チャットするだけで連絡ができます。

操作もシンプルで直観的に利用でき、特別なIT知識は不要です。
また、保護者だけでなく学校の教職員も同じように、簡単な操作によるチャットで保護者に連絡したり、情報収集することが可能です。

以上のように、ChatLuck SCは、「連絡」に特化したシンプルアプリです。
eメールアドレスや電話番号が不要で、チャットだから簡単・スマート。
スマホを買い換えても、アプリがあれば簡単に継続利用できますし、パソコンやタブレットでも、もちろん利用可能です。
その代表的な機能は、以下の通り。
 1)通知・連絡機能
 2)アンケート機能
 3)遅刻・欠席連絡機能
 4)個別連絡機能
※1校1契約あたりの課金で、児童・生徒数に関係なく一定料金です。 

こうした利便性が評価され、PTA予算で導入した学校もあります。
お子様が通っている学校は、「直ぐ連絡」ができるでしょうか。
電話やメールより便利なChatLuck SCは、DX時代の安心な国産アプリ・国内運用のサービスです。

おわりに

PTA活動は子どもの健全な育成のための「社会教育」を担うものであり、意義深いものといえます。

ただ、一方で、PTA活動には時間も手間暇もかかり、役員になるとその負担から、かえって子どもと過ごす大切な時間が削られてしまうという皮肉な状況も生じています。

また、共働きが増えている現在、保護者は仕事とPTA活動との両立が難しく、敬遠されてもやむを得ないという側面もあります。

これまでご紹介したサービスやアプリは、PTA活動を効率化することで省力化が可能になり、役員をはじめとする会員の負担を減らすことにつながります。

時代は変化しています。
子どものために最新のデジタルサービスやアウトソーシングを活用しながら、余裕をもってPTA活動に取り組む、そんな時代がきているのかもしれません。



資料一覧
*1
公益社団法人 日本PTA全国協議会「はじめまして PTA」表紙含め3ページ目、4ページ目
https://www.nippon-pta.or.jp/files/original/20220519114113513e796d832.pdf

*2
文部科学省 中央教育審議会(2019)「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」p.9
https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2019/03/08/1412993_1_1.pdf


*3
読売オンライン(2022)「[関心アリ!]PTA活動 外注し効率化...クラウド活用 プロ作製「安全マップ」」(2022年3月8日)
https://www.yomiuri.co.jp/life/20220307-OYT8T50140/


*4
東洋経済オンライン(2022)「保護者と教員1200人調査でわかった「PTAは必要?」の超本音 肯定派が半数超えでも、改革は急務なワケ」
https://toyokeizai.net/articles/-/514198


*5
文部科学省(2019)「平成30年度 PTA活動実践事例集」表紙含め2ページ目
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/ptahyoushou/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/04/08/1415229-001_1.pdf


*6
PR Times(2022)クラウドPTA活動ソフト「polyfit(ポリフィット)」α版の提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000088827.html


*7
PR Times(2022)「PTA会費をオンラインで集金できるアプリ「Piita(ピータ)」が次年度役員への引き継ぎを簡単にする機能をリリース」(2022年2月25日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000094972.html


*8
Piita ホームページ
https://piita.jp/


*9
PR Times(2022)「日本初PTAと企業のマッチングサイト「PTA'S(ピータス)」、【PTAサポーター企業】募集スタート!〜PTA業務のアウトソースを通じて、子ども達の学校生活をサポートしませんか~」(2022年3月31日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000069531.html


*10
PR Times(2022)書記代行サービス
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000069531.html


*11
アイネット「学校保護者間あんしん連絡サービス」(ChatLuckSC製品ページ)
https://www.inet.co.jp/product/cloud/chatluck-sc.html

横内美保子

博士(文学)。総合政策学部などで准教授、教授を歴任。専門は日本語学、日本語教育。
高等教育の他、文部科学省、外務省、厚生労働省などのプログラムに関わり、日本語教師育成、教材開発、リカレント教育、外国人就労支援、ボランティアのサポートなどに携わる。
パラレルワーカーとして、ウェブライター、編集者、ディレクターとしても働いている。





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