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クラウド化のメリットを享受できない人の特徴とは? 回避する仕事術とあわせご紹介

2022年10月26日解説

クラウド化といえば業務効率化の代名詞であり、多くの企業およびビジネスパーソンが、その恩恵にあずかっています。
しかしながら、逆に「クラウド化によってパフォーマンスが落ちる」という人が、一部に存在します。
コロナ禍により急速にクラウド化が進んだ今、クラウド化の意外なデメリットと、それを回避する仕事術をお届けします。

クラウドなしには仕事が成立しない現代

まず前提となる背景からご紹介します。

現代はクラウドなしには仕事が成立しない時代です。すべてのビジネスパーソンに「クラウド利用を前提とした仕事術」が求められています。

具体的なデータを見てみましょう。

7割以上の企業がクラウド化

総務省「令和3年通信利用動向調査」によれば、クラウドサービスを利用している企業は7割を超えています。

*1
出所)総務省「令和3年通信利用動向調査」P6 を元に筆者作成
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdff#page=8
上記は2021年8月末時点での数値ですが、時間の経過とともにさらなる上昇が見込まれます。

9割近くの企業が効果を実感

クラウド導入の成果はどうかといえば、ほとんどの企業がクラウド化による効果を実感しています。

*2
出所)総務省「令和3年通信利用動向調査」P6 を元に筆者作成
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdff#page=8

もはや「クラウド化を進めるか?進めないか?」という議論の余地はありません。
視点を「クラウド環境で、さらに効果を高めるには?」に移すフェーズへ入っています。

新しい環境へ最適化できたビジネスパーソンが、企業に貢献し評価される状況があります。

クラウドサービスのメリットがデメリット化する現象

クラウドサービスが企業視点から高効果であることは明らかです。

しかし、冒頭で触れたとおり、
「ある特定の特徴を持っている人にとって、クラウドのメリットがデメリット化する」
という現象が起きています。

最近、自分自身や部下、チームメンバーのパフォーマンスが落ちたと感じたら、この現象に陥っているかもしれません。

具体的な3つのポイントをご紹介します。
  1. アクセシビリティ → 自己管理
  2. ノンストップ → 完璧主義
  3. チームコラボレーション → 承認欲求

1.アクセシビリティ → 自己管理

アクセシビリティとは「アクセスのしやすさ」のことです。クラウド化すると、インターネットさえあれば、どこからでもファイルやデータベースにアクセスできます。

クラウド化によるアクセシビリティの恩恵があればこそ、コロナ禍においてもリモートワークが実現できました

しかしながら、以下の特徴を持つ人は、アクセシビリティの向上によって、逆に調子を崩すことがあります。

▼ アクセシビリティがデメリット化する人の特徴
  • 自己管理が苦手
  • うまく気持ちを切り替えられない
  • ワーカーホリックの傾向がある
なぜなら、「いつでも、どこでもアクセスできる自由さ」は、それを使いこなす成熟性とセットで初めて真価を発揮するためです。

2. ノンストップ → 完璧主義

リアルタイムに同期と更新が続くクラウド環境では、"とどまる"という概念がなく、ノンストップで変化させ続けることが可能です。

本来これはメリットでしかありませんが、完璧主義の人にとっては、蟻地獄となるリスクがあります。

▼ ノンストップがデメリット化する人の特徴
  • 完璧主義
  • 自分のなかのこだわりが強く妥協できない
  • 0か100か思考で中間がない
「完璧主義」が絶対悪かといえば、そんなことはなく、完璧主義ゆえに価値を生み出すイノベーターは多く存在します。

しかしながら、組織で役割を持って働くときには、完璧主義が妨げとなる場合があります。

何かを完璧に仕上げることに時間を費やしすぎると、生産性が急降下するからです。

どこかで区切りをつけて、完成品をアウトプットしていく必要がありますが、物理的な区切りが存在しないクラウド環境では、完璧主義の歯止めがききません。

3. チームコラボレーション → 承認欲求

クラウドを利用すると、複数のメンバーと同時にプロジェクトに取り組むことができ、情報共有は迅速かつ容易に行えるようになります。

社内外のチームコラボレーションによって、多くの企業がシナジーを創り出してきました。

一方でクラウド化は、今まで見聞きする機会のなかった他者同士のコミュニケーションや、やりとりの時系列まで可視化する特性を持ちます。

承認欲求が強い人にとっては、気になる情報の宝庫です。

▼ チームコラボレーションがデメリット化する人の特徴
  • 承認欲求が強い
  • いつも他人が気になる、他人と自分を比較する
  • 自分が認められることの優先順位が高い
たとえば、
「同僚が作った資料に対する上司のフィードバックは、褒め言葉ばかり」
「部下の返信が遅いが、ほかのファイルにはコメントしている」
など、今まで知るよしもなかった情報のチェックに時間を費やし、心をモヤモヤさせています。

クラウド時代の仕事術 3つのヒント

ここまでご紹介した「メリットがデメリット化する現象」を踏まえつつ、クラウド時代の仕事術のヒントを3つ、ご紹介します。

1. 目的志向を強化

1つめは「目的志向を強化」です。

「目的ドリブン」
「何のために?から考えよ」
「WHYから始める」
など、目的の大切さは常に語られてきました。

"目的とは、方向性を与えること"と捉えるなら、クラウド時代こそ重要性が増しています。

クラウド化は、あらゆる制限を取り払い、私たちの仕事に自由をもたらすからです。

言い換えると、「私たちのエネルギーを、どこにでも、自由に費やせる」ということです。

私たちが費やすエネルギー(労力、熱意、集中力)へ、方向性を与えなければなりません。今まで以上に意図的に、です。

2. 完璧より完了

2つめは「完璧より完了」です。

「Done is better than perfect.(完了は完璧に勝る)」という言葉があります。

先にも述べたとおり、完璧を追求し続けるあり方のすべてを否定するわけではありませんが、
「期限を決め、仕上げることの意義」
をあらためて見直したいところです。

言い換えると、"0か100かを目指してゼロとなる"を回避する意志を持つことです。

物理的な区切りを作りにくいクラウド時代だからこそ、「完了」の区切りを意志的に作り、次に進んでいく力が求められます。

3. 休息や運動も含めたセルフマネジメント

3つめは「休息や運動も含めたセルフマネジメント」です。

世界中のビジネスリーダーが愛読しているコヴィー博士の『7つの習慣』でいえば、第7の習慣「刃を研ぐ」が必要です。

「刃を研ぐ」とは、自分自身の価値を維持し高めていくための習慣で、具体的には以下4つの側面をバランスよく磨いていきます。

▼ 人間を形成している4つの側面をバランスよく磨く
1:肉体 運動、栄養、ストレス管理
2:精神 価値観の明確化と決意、学習、瞑想
3:知性 読書、視覚化、計画立案、執筆
4:社会・情緒 奉仕、共感、シナジー、内面の安定

*3
出所)スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』p.465

セルフマネジメントとクラウド環境を掛け合わせれば、大きな価値を生み出す仕事が可能になるはずです。

さいごに

本記事では、ビジネスパーソン個人の生産性の面から、クラウド化を見つめてみました。

ツール(仕事道具)が洗練されると、それを手にする者は楽できるか?というと、ツールに合わせて自分自身も洗練させていく必要性を感じます。

これは「だから大変」というより、「成長の楽しさ」をもたらしてくれるものです。

これからも、私たちはさまざまなデジタルテクノロジーと出会うことになるでしょう。

好奇心を持って新しい出会いを迎え、道具と自身のアップデートを楽しんでいきたいと思います。



注釈


*1
出所)総務省「令和3年通信利用動向調査」P6 を元に筆者作成
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdf#page=8

*2
出所)総務省「令和3年通信利用動向調査」P6 を元に筆者作成
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdf#page=8

*3
出所)スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』p.465

三島つむぎ

ベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。商品開発やブランド立ち上げなどの経験を活かしてライターとしても活動中。

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